からくりサーカス 感想


黒博物館がおもしろかったんで、からくりサーカス全43巻を衝動買い。
いつか読み直すときのためにも、初見の感想を書く。

■からくりサーカス編開始前まで
かっこいいナルミに感化されて全員かっこよくなっていく話。
素晴らしい導入だったと思う、全員魅力的で、この時点での謎も気になって続きが読みたくなる展開だった。
最高の一言。

■からくりサーカス編
からくりサーカス編の序盤、ナルミがギィ、ルシールと旅をする話はとても良かった。
エリ公女の話が特に良い、敵も味方も丁寧に描写されていて最高。
だが、サーカス編は唐突に終盤を迎え、その展開は当然急ぎ足気味で、何とも言えなかった。
使い捨ての、ぽっとでのキャラをたくさん出てくるが、その一人一人に対する描写今までよりもずっと少ない。
感情移入もし辛いまま、お涙頂戴シーンが連続し、そのまま終わってしまう。
もう少しここでグダグダ長々とやるべきではなかったんじゃなかろうか、ナルミにもう少し旅をさせて、その過程でラストの面子と交流して彼らを掘り下げるとか。
確かにナルミが各地を旅するだけの進展のない話が10巻くらい続くと読者は離れるのかもしれないが...

■過去編
今までに張られていた伏線が一気に回収される話。
正直、めちゃめちゃ面白かった。
からくりサーカス編の最中は、合間に差し込まれるマサルの話がつまらなく感じられたが、この話で一気にマサル側の話の株が上がる。
藤田先生は、きちんとオチまで考えて謎を残すのがうまい人だと思う。

■黒賀の里編
この話も面白い。
アシハナ家の3人娘一人一人に対して、時間をかけて掘り下げる。
単なる脇役なのに、感情移入しっぱなしだった。
それだけに、ラストの展開には心底絶望させられたと同時に、感嘆させられた。
なぜ、からくりサーカス編ではできなかったのだろうか。

黒賀の里の話とは直接関係ないが、ここらへんからナルミのエレオノールに対する意固地な態度が始まる。

■機械仕掛けの神(最終幕)編
キチンとすべてのことに決着がつく。
が、正直あまり好きになれない展開。
からくりサーカス編よりさらに酷い。
以下気に食わない点。

・マサルのしろがねに対する思いの描写
今まであんだけ丁寧に、マサルの感情はそういうのではないってのをやったのにそれを無にする展開に萎える。
なんだよ、結局にいちゃんのために我慢してたってことなのかよ?そんなのナルミが聞いたらどう思うのかって。

・ナルミのエレオノールに対する感情の折り合いのつけ方
引っ張りに引っ張った挙句、なああああにがお前には最初から惚れてただよ!!!ふざけんな!!!
そもそも、フーからあの話を聞かされてなお、あの態度をとるナルミに違和感しかないし、もっといえば記憶戻ってもなおってのは意味不明すぎる。
ってか、最初からバイ・ジンが全部悪いんだからアイツに責任とらせんだっていいそうだ。
ナルミは真っ直ぐで、あんなネチネチグチグチやるやつじゃねぇだろ。
ひたすらにナルミの株を下げ続ける展開には正直萎えっぱなしで、もっかい話書き直して欲しいくらい。

・黒賀の里の扱い
あんだけ魅力的なキャラクターを作っておいて、最後はそれを活かさない。
もったいなさすぎだよなぁ。
展開上、仕方がないといえばそうかもなのだが。

■総評
自分は物語の終わりを何より重視する性なので、からくりサーカスに対する評価は低め。
低めではあるものの、きちんと広げた風呂敷を畳みきったところは評価できると思う。
ただただ最後の展開が気に食わないだけです。
人によっては最高の作品なのではないでしょうか。








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