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左利きのエレン 感想(12巻まで)

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  広告、口コミ等で気になってたので読んでみた。 キャッチコピーは天才になれなかった全ての人へ、だそうです。 ■どんな話? デザインの世界を舞台にした(多分)サクセスストーリー。 この作品は凡人の社畜が挫折を繰り返しながらも前に進むパートと、天才たちがイキり散らかすパートに分かれており、交互にパートが切り替わりながら話は進む。 ■雑感 凡人パートは主人公の青さが非常に良い。 ヘタレで色々足りてないけど、足りない部分を補うためにはなんだってやる主人公はとても共感できる(プライベートは屑だが)。 サラリーマンになって気が付けば丸くなってる自分に気が付いて落ち込んで、だけどやっぱり夢が諦めきれない。 自身の才能、理想と現実に抗う姿はまさに少年漫画の主人公だ。 こういうのがみてぇんだよな。 対する天才パートは、序盤こそ魅力があったが段々味がしなくなってきた。 凡人側と絡み、過去のトラウマを克服するまでの流れは最高だったんだが。 なろうの無双ものは結構楽しめるんだが、なんでだめなんだろうなぁ。 天才共の癖に妙にキャラが斜に構えてるのが気に食わないのかもしれない。 凡人パートのみなら最高の一言の作品だが、天才パートと抱き合わせになってるので総合的には・・・やっぱり最高の作品です。 なぜなら普通に天才パートは読み飛ばせばいいだけなんでね。 リアル過ぎないがある程度説得力があるストーリー、凡人が才能と戦うというシチュエーション。とても俺好みの作品でした。 これでピンポンみたいにやっぱり才能には勝てなかったよってなったらぶちぎれます。

サルチネス 感想

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  作者は稲中卓球部やわにとかげぎすの古谷実先生。 読んだのは3か月程前なので新鮮な感想ではないが、良い作品なので読書の軌跡を残す。 ■どんな話? 妹が好きでたまらないアッパー系社会不適合者のおっさんが、妹のため、自分のために、周囲を大いに巻き込みながら奮闘する話。 ■雑感 とにかく汚い! おっさんは見た目も行動も言葉もなにもかも汚くて、そんなおっさんが主人公のこの漫画は、綺麗な描写のページは極稀だ。 だが、おっさんがやってることは方法はともかく、目的は純粋過ぎるほどに純粋。 見た目は汚いが、目的は綺麗なおっさんがなりふり構わず突き進む様は痛快で読んでて楽しい(ちょっと鬱陶しいが)。 そしてところどころで泣かしにかかってくる。 愚直さは笑えるけど、ずっと見てるとその実直さに泣けてくるのだ。 ラストは特に涙無しにはいられない。 また、先生の話にしては珍しく(といってもわにとかげぎすとヒメノアールしか読んでないけど)犯罪が絡まない。 いつもの、ダメ男+そんなダメ男が好きな美女+日常に潜む仄暗い狂気の3種の神器が揃った話ではなく、この話の構成要素はダメ男(女)達+(比較的)常識人な妹だ。 つまり何かよくわからない恐ろしいものに邪魔されず、心行くまで先生の描く日常ものを楽しめる話、というわけだ。 主人公の方向性が今までとは大分違うが。 明るい気持ちになれること間違いなしの良作。読後感最高でした。