サルチネス 感想

 

作者は稲中卓球部やわにとかげぎすの古谷実先生。

読んだのは3か月程前なので新鮮な感想ではないが、良い作品なので読書の軌跡を残す。


■どんな話?

妹が好きでたまらないアッパー系社会不適合者のおっさんが、妹のため、自分のために、周囲を大いに巻き込みながら奮闘する話。


■雑感

とにかく汚い!

おっさんは見た目も行動も言葉もなにもかも汚くて、そんなおっさんが主人公のこの漫画は、綺麗な描写のページは極稀だ。

だが、おっさんがやってることは方法はともかく、目的は純粋過ぎるほどに純粋。

見た目は汚いが、目的は綺麗なおっさんがなりふり構わず突き進む様は痛快で読んでて楽しい(ちょっと鬱陶しいが)。


そしてところどころで泣かしにかかってくる。

愚直さは笑えるけど、ずっと見てるとその実直さに泣けてくるのだ。

ラストは特に涙無しにはいられない。


また、先生の話にしては珍しく(といってもわにとかげぎすとヒメノアールしか読んでないけど)犯罪が絡まない。

いつもの、ダメ男+そんなダメ男が好きな美女+日常に潜む仄暗い狂気の3種の神器が揃った話ではなく、この話の構成要素はダメ男(女)達+(比較的)常識人な妹だ。

つまり何かよくわからない恐ろしいものに邪魔されず、心行くまで先生の描く日常ものを楽しめる話、というわけだ。

主人公の方向性が今までとは大分違うが。


明るい気持ちになれること間違いなしの良作。読後感最高でした。


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