告白 感想


五年に一回あるかないかの活字が読めるテンションになったので、この機を逃さぬ内に適当に目に入った小説を読む。

今回読んだ湊かなえの告白は、2008年に発表されたいわゆるベストセラーで、2010年に映画化もされた超有名な作品らしい。
恥ずかしながら全く知らなかったが、そう言われるとこの表紙に見覚えがある気がしてくるから不思議だ。

■どんな話?
三者三様の視点から語られる復讐劇。

■雑感
主題は、愛。(だと勝手に決めつけます。)
自己愛、友愛、家族愛、生徒への愛、無償の他者への愛。
作品には歪みに歪んだ様々な愛の形が描かれる。
そして一貫しているのは、愛は常に他者に理解されぬ(一番分かってほしい相手にさえ)、一方通行なものであるということ。

傍からみて、空回りしたり、大げさだったりする、滑稽なそれを、皆笑い、逆に笑われる。
だが、それは彼らにとっての生きる意味であったり、自己を保つために必須なものであるのだから必死である。

愛は常に他者に理解されぬという部分を、語り手を章ごとに切り替えることによって、うまく表現しており、話が進むにつれて難解な謎が解けたような、すっきりした感覚が得られる。
意外性の連続で、読んでてうまいなと思わせる構成。

話自体は、好みであるかと言われると微妙なところではあるが、後半は完全に引き込まれていたので、面白いお話でした。


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